コンピュータ実施発明の特許適格性の基準に関して一致した意見に至らなかった全裁判官出席の上での連邦巡回の判決

5月10日、意見が裁判官の中で分かれた連邦巡回は、CLS Bank International v. Alice Corp.事件についての一段落の判決を出しました。この判決では、Alice Corp.の特許のクレームは35 U.S.C. §101に基づき特許適格性の内容に関するものではないとする地方裁判所の判決が確認されました。対象特許は、金融取引を行うコンピュータ実施トレーディングプラットフォームに関するものです。対象クレームには、方法クレーム、コンピュータ読み取り可能媒体クレーム、システムクレームが含まれています。連邦巡回の大多数の裁判官は、方法クレームとコンピュータ読み取り可能媒体クレームとについての地方裁判所の判決を確認しました。しかし、連邦巡回の半数の裁判官のみが、システムクレームについての地方裁判所の判決を確認しました。

判決を裏づける多数派の意見書は出されませんでした。その代わり、異なる裁判官がグループで、コンピュータ実施発明の特許適格性を判断する適切な基準に関する著しい相違点を示す6つの意見書をそれぞれ提出しました。連邦巡回の一段落の判決のみが、先例となる効力を有しており、これらの意見書は、コンピュータ実施発明の特許適格性を判断する方法についての権限付き手引きを構成するものではありません。それぞれの意見書における裁判官の見解は、多数の局面で著しく異なるため、明瞭に理解できる情報を提示していません。今後の裁判所の判決は、どの裁判官によりパネルが構成されるかによることになるように思われます。

連邦巡回が一致した意見に至らなかったことは、特にコンピュータ実施ビジネス方法発明に影響を与えます。また、この発明タイプに関する既存の法律の状態は、非常に不安定であり、矛盾しています。

来週、CLS Bank International v. Alice Corp. 事件の判決についてのスペシャルレポートを発行する予定です。