IDS 要件

米国特許庁規則56により、「特許性にとって重要(material to patentability)」であると認識した情報を米国特許商標庁(USPTO)に開示することが義務付けられています。情報開示陳述書(IDS)の使用により、この情報をUSPTOに適切に提出することができます。追加手数料の納付回避のため、このIDSを期限までに開示する必要があります。

開示しなければならない情報

出願人または特許出願の審査手続きに関与する者に周知である「特許性にとって重要(material to patentability)」な情報は、IDSにて開示する必要があります。その情報には、以下が含まれますが、これらに限定されません: 先行技術文献;発明の先行公報; 発明の先行公然実施、販売、または販売の申し出; 密接に関連する主題に関する係属出願または公開出願;対応外国特許出願または関連米国特許出願にて発行された調査レポートおよびオフィスアクション; 対応外国特許出願または関連米国特許出願にて表示された矛盾した見解。

英語以外の文書については、関連性を示す英語の陳述書を提出する必要があります。 関連性を示す英文陳述書として、一般的に優先順位の高い順に、人または機械による文書の完全翻訳、対応する英文公報(非英文特許公報に対応する英文特許公報など)、文書の関連部分の人または機械による部分翻訳、文書を論じた外国またはPCT調査レポートまたはオフィスアクションの英文版、または文書の英文要約または要旨が含まれます。翻訳が既に作成されている場合や、EPOやJPOのホームページから機械翻訳を容易に入手できる場合など、人または機械による完全な翻訳が容易に入手できる場合は、通常それを提出する必要があります。

弊所に送付していただく情報

情報を送付していただきますと、速やかにIDSを作成し、USPTOにその情報を提出します。従って、周知の重要な情報がUSPTOに提出されていない場合は、(1) その情報のリストとコピー(または公開日を含む完全な識別情報)を送付してください; (2) 各情報が最初に引用された、あるいはその他の方法で発見されたのはいつなのか、お知らせください; (3)  英語以外の言語による文書のうち、入手可能な英訳を送付してください。また、弊所にて対応外国出願をお取り扱いさせていただいていない場合には、(4) 関連する外国調査レポートおよび/もしくはオフィスアクションの英語版を送付してください;  (5) 調査レポートおよび/もしくはオフィスアクションに含まれていない、翻訳されていない英語以外の文献の関連性を簡潔に説明したものを送付してください。

IDSの提出期限

「特許性にとって重要(material to patentability)」な情報を開示する義務は、特許出願の審査手続き中も継続し、特許が発行された時点で初めて終了します。特定の情報が審査官によって検討されるか否か、また、その検討をしてもらうために請願(petition)手数料の納付やその他の措置が必要か否かは、情報開示陳述書(IDS)を提出した時点の出願の状況によって異なります。IDSの提出には、以下の一般的なガイドラインが適用されます。

さらに、IDSが期限までに提出されたか否かにかかわらず、状況によっては、IDSの提出により、その特許出願に基づき発行される特許に与えられる特許期間調整が短縮となる可能性があります。特に、(1) オフィスアクションや特許査定通知(Notice of Allowance)の発行後1ヶ月以内に、新しいオフィスアクションや特許査定通知の再送付を必要とした場合、(2) オフィスアクションに対する応答の提出後、もしくは(3) 特許査定通知発行後、IDSを提出することにより、出願人の遅延としてカウントされ、特許期間調整が短縮となる可能性があります。しかし、このような場合でも、IDSのみの提出については、IDSに記載の各情報項目が、対応出願における外国特許庁からの連絡書類に引用されており、この連絡書類がIDSの提出から30日以上前に特許出願または審査手続きに関与する者が受理していない旨の陳述がIDSに含まれている場合、このような提出は出願人による遅延とはみなされません。37 CFR 1.704(d)を参照のこと。

IDSにおいてそのような30日間の証明陳述ができない場合、次のオフィスアクションが発行されるまでIDSの提出を待つことでも、出願人による遅延の発生を回避することができます。ただし、次のオフィスアクションが最終でない場合、3ヶ月の証明期間満了後にIDSを提出するため、手数料の納付が必要となる場合があります。また、次のオフィスアクションが、(1) 最終オフィスアクションとされた場合、(2) クウェイルアクションである場合、もしくは(3) 特許査定通知である場合、継続審査要求(Request for Continued Examination: RCE)と共にIDSを提出する必要があります。

従って、次のオフィスアクションが発行されるまでIDSの提出を待ちますと、著しいUSPTO手数料と審査遅延が発生する可能性があります。従って、出願人による遅延の発生を回避するため30日間の証明陳述が必要ですが、それができないような場合、明確な反対のご指示がない限り、弊所では次のオフィスアクションが発行されるまでIDSの提出を待つことはありません

実質的な第一次オフィスアクションの発行前に

出願の米国出願日から3ヶ月以内に提出されたIDSは、審査官により検討されなければなりません。請願手数料は不要です。これは、その出願について既にオフィスアクションが発行されているか否かに関係なく適用されます。

米国出願日から3ヶ月後、実質的な第一次オフィスアクションが発行される前に提出されたIDSも、同様に審査官により検討されなければなりません。請願手数料は不要です。

実質的な第一次オフィスアクションの発行後、審査終了までの間

米国出願日から3ヶ月以上経過し、実質的な第一次オフィスアクションの送付日後であって、最終拒絶通知、特許査定通知、または審査を終了するその他のアクション(例えば、クウェイルアクション)の送付日前に提出されたIDSは、審査官により検討されなければなりません。ただし、請願手数料が必要な場合があります。IDSに記載の各情報項目が、IDSの提出の3ヶ月以上前に、対応外国出願において外国特許庁からの連絡書類で最初に引用された場合、またはIDSの提出の3ヶ月以上前に、特許出願または審査手続きに関与する者にとってIDSのどの情報項目も周知でなかった場合、請願手数料は必要ありません。それ以外の場合、IDSを記録に載せてもらい検討してもらうためには、240ドルの請願手数料を納付する必要があります。

審査終了後、発行手数料の納付前まで

米国出願日から3ヶ月以上経過し、最終拒絶通知、特許査定通知、もしくは審査を終了するその他のアクション(例えば、クウェイルアクション)の送付日後、発行手数料の納付前に提出されたIDSは、審査官により、請願手数料が納付されており、IDSが期限までに提出されている場合にのみ検討されます。請願手数料は、現在240ドルです。IDSは、IDSに記載の各情報項目が、IDS提出の3ヶ月以上前に、対応外国出願において外国特許庁からの連絡書類で最初に引用された場合、またはIDSのどの情報項目もIDS提出の3ヶ月以上前に特許出願または審査手続きに関与する者にとって周知でなかった場合にのみ、期限までに提出されたものとみなされます。IDSを期限までに提出できない場合、IDSを検討してもらうためには、継続審査要求(RCE)の提出が必要となります。

継続審査要求とともに、又はその後に

適切な継続審査要求(RCE)とともに提出されたIDS、またはRCEの提出後、その後の実質的な第一次オフィスアクションの発行前に提出されたIDSは、審査官により検討されなければなりません。その後、オフィスアクションの発行後にIDSを提出する場合の上記基準が引き続き適用されます。

発行手数料の納付後

発行手数料が納付されると、IDSは審査官によって検討されなくなります。この段階でIDSを審査官に検討してもらうためには、IDSとともに、出願を発行から取り下げるための請願書(Petition to Withdraw the Application From Issue)と継続審査要求(RCE)(意匠出願の場合は、継続審査出願(Continued Prosecution Application))を提出する必要があります。