2018年11月1日施行のUSPTO内での相互引用システム(Internal Cross-citing System)の試行プログラム

2018年11月1日、USPTOでは、関連先行技術へのアクセスの実施(Access to Relevant Prior Art Initiative)の試行が開始となります。この試行段階においては、特許出願の特定グループに対する電子ファイルは、対象特許出願直前の米国特許親出願において過去に引用された文献を自動的に受理することになります。これらの出願をレビューする審査官は、新たなソフトウエアツールを使用して、導入文献リストを受理することになります。2018年11月1日より、本試行プログラムは、技術部2131(すなわち、コンピュータメモリー出願部)にて施行されることになっており、2019年1月1日からは8ヶ所の技術部においても施行される予定となっています。本プログラムに含まれる出願は、試行システムを使用して導入された全引用文献を列挙する「導入引用通知書(Notice of Imported Citations)」を受理することになります。

USPTOでは、USPTO内全体で本システム実施のため必要な調整を図るため、この試行段階における一般からのフィードバックを歓迎します。但し、現時点では、出願人の開示義務を軽減する予定はなく、USPTO内での相互引用(cross-citing)では、出願人による確認が必要となります。従って、現時点において、弊所での業務もしくは手続きへの変更はないように思われます。また、今後、USPTOは、対応外国出願から関連書類を自動的に検索するためのシステムを実施するかもしれません。 USPTOが、関連先行技術へのアクセスの実施(Access to Relevant Prior Art Initiative)を今後も続行する場合、今後のIDSの提出頻度を非常に少なくすることができるように思われます。

弊所では、今後も本件およびUSPTOの他の動向につきまして注意深くモニタリングします。プログラム等が展開するに従って、重要な情報および変更等がありましたら、クライアントの皆様にお知らせする予定です。

本試行プログラムについての詳細については、USPTOの公式発表をご覧ください。 https://www.uspto.gov/patents-getting-started/access-prior-art-project