Archives for 5月 2013

電子開示手続き(E-Discovery)に関する米国国際貿易委員会(USITC)による最終規則の採用

5月20日、米国国際貿易委員会(USITC)は、開示手続きの範囲について、特にセクション337の調査における電子開示手続きの範囲についての説明のため、業務および手続きに関する規則(Rules of Practice and Procedure)の補正についての発表を行いました。

補正後規則には、とりわけ、連邦民事訴訟規則(Federal Rules of Civil Procedure) 26(b)(2)(B)に類似している特定の電子開示手続きの条項が含まれています。この規則では、情報提出当事者が、「不当な負荷もしくは費用のため理屈に適って入手不可能である」とする情報源からの、電子的に保存された情報に関する開示手続きを制限しています。その場合でも、行政法判事(ALJ)は、情報要求当事者が十分な理由を示す場合、そのような情報についての開示を命令するかもしれません。しかし、ALJには、(例えば、情報要求当事者による費用負担もしくは費用分担等の)「開示についての条件を特定する」権限があります。また、補正後規則には、ALJが「応答者が、法的主張が可能であるにもかかわらず、開示手続きに同意した、もしくは開示手続き対象である係争対象事項に関する特定の事実に同意した」と決定する場合を含み、ALJが、強制開示手続きを求める申し立て(motion to compel)に応答して開示手続きを制限する必要があるという具体的な状況も含まれています。また、補正後規則には、特権もしくは職務成果の情報を不注意に提出してしまった場合の条項と共に、特権記録の内容とその提出のタイミングに関する具体的な手引きも含まれています。

2013年6月20日、補正後規則は有効となり、6月20日より後に開始した調査が適用対象となります。近日、このUSITCの業務および手続きに関する規則の補正に関するスペシャルレポートを発行する予定です。

コンピュータ実施発明の特許適格性の基準に関して一致した意見に至らなかった全裁判官出席の上での連邦巡回の判決

5月10日、意見が裁判官の中で分かれた連邦巡回は、CLS Bank International v. Alice Corp.事件についての一段落の判決を出しました。この判決では、Alice Corp.の特許のクレームは35 U.S.C. §101に基づき特許適格性の内容に関するものではないとする地方裁判所の判決が確認されました。対象特許は、金融取引を行うコンピュータ実施トレーディングプラットフォームに関するものです。対象クレームには、方法クレーム、コンピュータ読み取り可能媒体クレーム、システムクレームが含まれています。連邦巡回の大多数の裁判官は、方法クレームとコンピュータ読み取り可能媒体クレームとについての地方裁判所の判決を確認しました。しかし、連邦巡回の半数の裁判官のみが、システムクレームについての地方裁判所の判決を確認しました。

判決を裏づける多数派の意見書は出されませんでした。その代わり、異なる裁判官がグループで、コンピュータ実施発明の特許適格性を判断する適切な基準に関する著しい相違点を示す6つの意見書をそれぞれ提出しました。連邦巡回の一段落の判決のみが、先例となる効力を有しており、これらの意見書は、コンピュータ実施発明の特許適格性を判断する方法についての権限付き手引きを構成するものではありません。それぞれの意見書における裁判官の見解は、多数の局面で著しく異なるため、明瞭に理解できる情報を提示していません。今後の裁判所の判決は、どの裁判官によりパネルが構成されるかによることになるように思われます。

連邦巡回が一致した意見に至らなかったことは、特にコンピュータ実施ビジネス方法発明に影響を与えます。また、この発明タイプに関する既存の法律の状態は、非常に不安定であり、矛盾しています。

来週、CLS Bank International v. Alice Corp. 事件の判決についてのスペシャルレポートを発行する予定です。

特許発明の自己複製性の利用が侵害となる可能性があるという米国最高裁判所による判決 

2013年5月13日の判決において、米国最高裁判所は、農作業者が今後の植付用の種の複製を行うために特許により網羅された種を許可なく再植付することは、特許侵害行為となるとしました。この事件において、Monsantoは、Monsantoの特許により網羅された種のライセンスにより許可された使用の結果として産出した種を集めて再植付をしたとして農作業者(Bowman)を訴えました。そのライセンスには、特許により網羅された種のそのような使用は含まれていませんでした。

米国最高裁判所は、(再植付と収穫により)特許製品の複製品の製造が特許消尽論により保護されていないとしました。同裁判所は、特許製品の意図された通常使用が(例えば、人間もしくは動物による食糧消費等の)非複製使用であったため、その製品の今後の複製を行うための特許製品の使用は、保護された活動ではないとしました。同裁判所は、通常の使用は複製に関するという(例えば、製品の自己複製は、購入者の管理範囲外である、もしくはその製品の意図された使用において複製が必要であり付随的である場合等の)他の技術と区別し、このような場合について判決を出さないとしました。